英米文学・文化研究におけるエコクリティシズム (ecocriticism / environmental criticism / green studies) は、世界のあらゆる地域で環境についての懸念が高まった1990年代以来飛躍的な発展を遂げ、地球温暖化による大災害や原発事故による核物質汚染などの地球規模の環境問題がより深刻化している現在、その思潮は文学研究を越境し、多様な知的領域を融合しようとしている。こうした流れを受けて、本研究は、ここに新たにトランスアトランティックの視点を導入し、「トランスアトランティック・エコロジー」という概念のもとに、エコロジー思想発祥の元となったイギリス・ロマン主義とアメリカのロマン主義(アメリカン・ルネサンス)時代の環境文学・環境思想の環大西洋的相互作用・影響関係を体系的に分析・考究し、現代の環境文学やエコロジー思想に至る史的推移・発展や世界への波及の跡を解明することを目的とする。

 

研究分担 ◎は責任者
    【研究総括】  川津
    【サブテーマ1】環境倫理思想・生命理論の環大西洋的相互作用
    ◎小口、成田、伊藤、川津
    【サブテーマ2】自然地保護思想の環大西洋的相互作用
    ◎吉川、植月、金津、成田
    【サブテーマ3】英米ロマン主義とポストネイチャー/ポストヒューマン思想
    ◎金津、小口、吉川、植月、伊藤、川津